疾病性と事例性?
みんなの健康管理室
産業保健師の木村です。
もし、あなたの部下がメンタル不調を訴えたら、どんな風に思いますか?
「大変そうだ」「何とかしてあげたい」「原因は何だろう」などなど・・・
原因がわかればそれを取り除けば回復する、と考えるのは自然なことなので、
「原因は?」「病名は?」と考えるのは当然だと思います。
しかし、メンタルヘルス不調は単一の要因で引き起こされることは少なく、
複数の要因で起こっています。
そして、メンタルヘルス不調になった要因を突き止める事や診断をするのは医療職が対応する専門分野です。
診断に関する事は「疾病性」です。
上司の方には、不調に至った経緯や要因を明らかにしたり、診断が何かを考えるのではなく、
実際に困っている事が何か?に目を向けて頂きたいと思います。
どうしても原因や診断名に目を向けてしまいますが、
遅刻が多い、仕事の納期を守らない、同僚や取引先とトラブルが多い、などなど。
困っている「具体的事実」があると思います。
これが事例性です。
会社が対応すべきは、業務遂行してもらうために具体的に困っている事項です。
遅刻が多いのであれば就業時間に間に合うように指導したり、場合によっていは業務量を見直す必要があるかもしれません。
納期が守れないのであれば納期を調整するでしょう。
これらのトラブルの根底にメンタル不調がありそうだ、と判断したのであれば、
医療機関への受診を促すのが上司の役目のひとつになります。
そのうえで、休業や業務調整が病状改善のために必要だという医師からの意見を受けて、
休養を指示したり、業務量や残業時間の調整を行います。
事例性への対応は、会社や上司にしかできない部分です。
どうしても疾病性に意識がいきがちですが、事例性に目を向けて対応してみてください。
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