本当に「自分の若い頃は」?
みんなの健康管理室
産業保健師の木村です。
5月も半分が過ぎました。
新入社員の皆さんは、研修期間を終えて本配属先で本格的にお仕事スタート!
となった方もたくさんいらっしゃると思います。
初めてのことばかりで戸惑うことも多いのではないでしょうか。
なかなか慣れない、やっていけるか不安だという相談を新入社から受けだす時期ですが、
一方で残念ながら先輩方から「自分が若い時は・・・」という声が上がりだす時期でもあります。
メンタルヘルスに注目が集まり、適応障害やうつ病という言葉を従業員の方からも聞くようになり、
「部下のメンタルが心配で」とお声かけ頂くことも増えました。
ADHDでは?という相談を受けることもあります。
同時に「自分が若い頃はそういう人はこんなにいなかった」「適応障害はわがままじゃないか」という声も聞くようになりました。
果たしてそうでしょうか?
何かしらメンタルヘルスに不調があると医療機関で診断された方は、
確かに昔に比べると多くなったのかもしれません。
それは、メンタルヘルスの不調が認知され、受診につながる人が増えたのも一因です。
決定的に違うと感じるのは、受け取る情報量の多さと、それに伴って判断を求められる機会が増えたこと。
情報を処理するというのは、とても疲れることです。
インターネットが発達し、すぐに世界中の情報にアクセスできる時代になりました。
日に日に受け取る情報量は増えていっています。
例えば、以前は1日に5つの情報を処理すればよかったのが、今は10の情報の処理を求められる。
そんな感じです。
1日に7の情報を処理できるキャパシティの人が、毎日10の情報を処理するように求められ続けていたらどうなるでしょう?
何かしら不調をきたすのは明らかですよね。
部下や後輩に「自分の若い頃は・・・」と話す前に、昔と今の違いを考えてみてくださいね。
先輩たちから見ると、少し頼りなく見える新入社員かもしれませんが、
デジタルネイティブ世代は新しい情報を見つけるのが得意な人が多いです。
「自分が若い時は・・・」とシャットダウンしてしまわず、そういった部分はぜひ、新入社員から学べるとよいのではないでしょうか。
これから素晴らしい戦力になってくれると思います。
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